新組織の「今」を聞く
「この地域で、この組織で、何を大切にするか」
西日本本部「本部長 × 企画グループ長」
▲ 西日本本部長・寺口さん
ご自身が担当される地区の特色・強みをひと言で表すとしたら何でしょうか?
地域との繋がりの強さと、それを成果に結びつける現場力の高さだと感じています。西日本は国土交通省や地方自治体との関係が強く、兵庫・鳥取・熊本など、長年地元とのつながりを大切にしながら受注に結びつけてきた重要自治体を数多く抱えています。発注量に波はあるものの、近畿・九州・沖縄は比較的安定しているエリアです。
もう一つ挙げるなら現場力です。現在、当社が保有する国土交通省の優良企業認定は三件ありますが、すべて西日本管内のものです。認定を得るには二年間で三件の完成工事という高いハードルがありますが、その土俵に乗った上で高得点を取り切る現場の技術力を持っている。「地域との関係」と「現場力」、この二つが西日本の強みだと思っています。
地区本部長として着任されて、最初に感じたこと・驚いたことはありますか?
本社では営業・工事の両方をずっと見てきましたので、正直そこまで大きな驚きはありませんでした。ただ本部長になって改めて感じたのは、西日本は思っていた以上に広いということです。長く在籍した関西支店時代は、九州や中国地方との関わりはそれほど多くありませんでした。立場が変わって全体を見るようになると、非常に大きな本部であるなと感じました。
そのなかで強く感じたのが地域性です。長年その土地で仕事をしてきた担当者が、地域のお客様や協力業者と密実な関係を築き、そこで培ってきた経験やノウハウを持っている。これは短期間でできるものではなく、しっかりと積み上げてきてくれた実績あってのことだと実感しました。
日々の業務の中で「ここは絶対に譲れない」と感じているこだわりを教えてください。
大切にしていることは三つあります。「何のためにやるか」という目的意識、「本当に大丈夫か」という問題意識、そして「主体的であること」です。
目的意識はいわばアクセル、問題意識はブレーキだと考えています。前に進むだけでなく、ある方法を見つけたときに一度立ち止まり、見落としがないか、もっと良い方法はないか社内外の方々やお客様など様々な人と会話をして考える。その上で自分で判断し、主体的に行動する。定型的な業務が減っていくこれからの時代、この三つはますます重要になると感じています。
地区特有の課題に対して、どのようなアプローチで向き合っていますか?
西日本の課題は、長期にわたって売上・利益の柱となる大型物件を確保できていないことです。昨年は九州でしっかりと受注できましたが、それでも二年程度の現場規模にとどまっています。核となる大型物件を確保しつつ、中小規模の現場もバランスよく取っていくことが重要です。
ただ、発注量そのものが減少していく中では、既存事業だけでこれまでと同じ売上高を確保することは難しくなっています。そのため、大型物件を核とした既存事業をしっかり守る一方で、既存事業の売上高不足分を補う新しい事業の柱を積極的につくっていく必要があります。
また、目先の物件を取ることだけを考えるのも危険です。例えば、目の前の案件を取るために大型物件に対応できる技術者を配置してしまうと、いざ核となる大型物件が出てきたときに、必要な人員を確保できず、応札そのものを断念せざるを得なくなる可能性があります。だからこそ、個々の案件ではなく、西日本本部全体を俯瞰して、数年先を見ながら「この案件を取ることが、全体としてどういう意味を持つのか」を考える必要があります。
これは営業だけで完結するテーマではありません。大型物件を担う現場代理人や設計担当者の層をどう厚くしていくか、という人財戦略にも関わります。既存事業を守る、新しい事業をつくる、そして将来必要となる人財を育てる。この3つを全体最適の視点で進めていきたいと考えています。
この記事を読んでいる社員へ、一番伝えたいメッセージは何ですか?
今年度の重点施策の一つに掲げているのが「役割を広げる」ことです。組織図を変えただけで会社が変わるわけではなく、一人ひとりの仕事の仕方や考え方、行動が変わって初めて組織は変わっていくと考えています。
完璧な答えが見つかるまで待つのではなく、周囲のメンバーやお客様と会話しながら、まずやってみてほしい。もちろん何も考えずに走り出すのではなく、一度立ち止まって「本当に大丈夫か」と考えたうえで、それでもやるべきだと判断したら一歩踏み出す。そうやって挑戦する人が一人、二人と増えていけば、会社は大きく変わっていくと感じています。
▲ 西日本企画グループ長・河口さん
企画グループは普段、どのような業務をされていますか?
大きく二つあります。一つは設計業務や技術提案作成といった、これまでの業務の延長線上にあるもの。もう一つが、新設橋梁に限らない建築や港湾など、新規事業の可能性を探るマーケティング業務です。
後者は当社がまだ手がけていない領域もありますので、情報は基本的に外部からしか入ってきません。社外の方々と対話することで情報を得ています。現状はまだ設計・提案業務のウェイトが大きいですが、今後は徐々に新規事業のマーケティングへとシフトさせていく考えです。
企画グループはなぜ新設されたのでしょうか?どのような期待があってのことだと思いますか?
これまでも新規事業に取り組もうという話はあったのですが、既存事業に引っ張られてなかなか動けていなかったというのが実情でした。企画と執行を分離することで、両方をきちんと両立させる。それが新設の一番の理由だと思っています。
寺口さん会社としても、企画の部分を強化したいという意思の表れだと捉えています。
「企画グループ」とは、どんな組織・チームを目指していますか?
新規事業についてはゼロベースで考えようと伝えています。当社はPC鋼材を引っ張ってコンクリート構造物をつくることを主としてきましたが、必ずしも「引っ張る」ことにこだわらなくてもいい。なんなら引っ張るものはPC鋼材じゃなくてもいい。そんな柔軟な発想で将来にわたって持続的に続けられる事業を、枠にとらわれずに模索していきたいと思っています。
ただ、自分たちだけで完結させるつもりはありません。せっかく本社と支店の間にできた組織なので、企画と執行は循環すべきものだと考えています。私たちが何かを考えて一方的に「これをやってください」と渡すのではなく、各支店・営業所や現場のメンバーにも積極的・主体的に情報収集をしてもらい、そこで得られた情報をミックスさせながら良いアイデアをつくっていく。みんなが主体的に動けるチームにしたいと思っています。
企画G長として、ご自身がこだわっている仕事のスタイルや哲学を教えてください。
「日本ピーエス」という枠を持ちながらも、日本ピーエスらしくないことをやっていく。これをいつも考えながら行動しています。過去に先輩たちが築いてきたものは正しいことだと思いますが、時代は変わっていきますから、「過去がこうだったから」という理由だけで同じことを続けるのは避けたい。枠から外れてはいけないけれど、その枠のなかで自由に動きたいというのが自分の考え方です。
メンバーへ特に意識して伝えていること、大切にしていることは何ですか?
グループ発足時にまず伝えたのは、「外に出てほしい」ということです。企画グループのメンバーは設計や提案業務を長く経験してきた優秀な人財が多いのですが、その分、社内の関係だけで完結しがちでもあります。外の人と関わり、自分の専門知識を活かしながら新しい情報を取り込むことで、新しいイノベーションが生まれると思っています。部屋の中にいるだけでは物事の本質は見抜けませんし、新しい出会いも生まれません。だからこそまず外に出て、人と関わってほしいと伝え続けています。
「まずやってみよう」——寺口本部長の言葉が、西日本本部の今を象徴しています。
まっすぐな本部長と、外とのつながりを大切にする企画グループ長。二人の視点が重なり合い、西日本本部の新しい土台をつくっていく。
【編集後記】今回のインタビューを通じて感じたのは、「目的意識・問題意識」を軸に率いる本部長と、「外とのつながり」を軸に動く企画グループ長、そのスタイルは一見すると対照的でありながら、根っこにある思いは同じだということでした。
新しい組織だからこそ語れることがある。新しい出発点だからこそ見えてくるものがある。
そんなことを感じた取材でした。次回もどうぞお楽しみに。
©コーポレートナビ編集部 は、経営企画グループが運営する記事企画発信チームです。
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